日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成16年3月1日 永代経

妙法尼御前御返事
〜 其の二 〜
妙法尼御前御返事(御書一四八二頁)

 しかるに今の御消息に云はく、いきて候ひし時よりも、なをいろしろく、かたちもそむせずと云云。天台云はく「白々は天に譬ふ」と。大論に云はく「赤白端正なる者は天上を得る」云云。
 天台大師御臨終の記に云はく「色白し」と。玄奘三蔵御臨終を記して云はく「色白し」と。一代聖教の定むる名目に云はく「黒業は六道にとゞまり、白業は四聖となる」と。此等の文証と現証をもってかんがへて候に、此の人は天に生ぜるか。はた又法華経の名号を臨終に二反となうと云云。法華経の第七の巻に云はく「我滅度の後に於て応に此の経を受持すべし。是の人仏道に於て決定して疑ひあること無けん」云云。
 一代の聖教いづれもいづれも、をろかなる事は候はず。皆我等が親父、大聖教主釈尊の金言なり。皆真実なり。皆実語なり。其の中にをいて又小乗・大乗、顕教・密教、権大乗・実大乗あいわかれて候。仏説と申すは二天・三仙・外道・道士の経々にたいし候へば、此等は妄語、仏説は実語にて候。此の実語の中に妄語あり、実語あり、綺語も悪口もあり。其の中に法華経は実語の中の実語なり。真実の中の真実なり。
 真言宗と華厳宗と三論と法相と倶舎・成実と律宗と念仏宗と禅宗等は実語の中の妄語より立て出だせる宗々なり。法華宗は此等の宗々にはにるべくもなき実語なり。法華経の実語なるのみならず、一代妄語の経々すら法華経の大海に入りぬれば、法華経の御力にせめられて実語となり候。いわうや法華経の題目をや。


【現代語訳】

 そのような中で、貴女からのお便りでは、「生前より顔色も白く姿形も乱れず安らかでした」とありました。天台大師の摩訶止観には「白白は天界にたとえる」とあり、竜樹菩薩の大智度論には「赤や白で端正な者は天上界に生まれる」とあります。
 天台大師のご臨終を記した天台大師別伝には「色が白かった」とあり、玄奘三藏の臨終を記した書にも「色が白かった」とあります。このように文証と現証の上からご主人の臨終の姿を見ますと、天界に生まれ変わることができます。それ以上に、臨終の間際に南無妙法蓮華経と二回唱えたのですから、法華経の如来神力品に「我が滅後に法華経を受持する者は成仏すること疑いがない」と説かれているように成仏は間違いがありません。
 仏が一代に説かれた経文はどの経文も貴く有り難いものです。すべてが真実の教えであり本当の言葉です。しかし、貴い教えの中にあっても、小乗・大乗・顕教・密教、権大乗・実大乗と分かれています。仏の教えは二天・三仙・外道・道士等の教えに比べるとこれら外道等の教えは妄語です。仏説は実語です。その実語の仏説の中にも、妄語もあり実語もあり、綺語も悪口もあります。その中でも法華経は実語の中の実語です。真実の中の真実を説かれた教えです。
 真言宗・華厳宗・三論・法相・倶舍・成実・律宗・念仏宗・禅宗等は実語の中の妄語から成立した宗派です。法華宗はこのような宗派とは違い実語です。法華経は実語であるばかりではなく、一代の妄語の教えですら法華経の大海に流入したならば実語に変える力があります。まして法華経の題目の力はなおさらです。

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