日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成16年3月7日 広布唱題会

持妙法華問答抄
持妙法華問答抄(御書三〇〇頁)

 願はくは「現世安穏後生善処」の妙法を持つのみこそ、只今生の名聞後生の弄引なるべけれ。須く心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ、他をも勧めんのみこそ、今生人界の思出なるべき


【現代語訳】

 あなたに願うことは、「現世には安穏にして、後には善き処に生まれる」と約束される妙法蓮華経を持つことが今生の誉れであり後生の楽しみである、と心得ることです。すべての心を南無妙法蓮華経一筋に定め、ご自身も南無妙法蓮華経と唱え、他人にも南無妙法蓮華経と勧めることが、今生に人として生まれた良い思い出となるのです。


【解説】

 「現世安穏・後生善処」の文は「法華経薬草喩品第五」の経文です。これについて、『法華初心成仏抄』では「現世安穏後生善処なるべき此の大白法を信じて国土に弘め給はゞ、万国に其の身を仰がれ、後代に賢人の名を留め給ふべし」と示されます。意は、妙法蓮華経の大白法を信じて折伏を行ずるならば、世界中で尊敬されるような境界になり、さらに後の世には賢人の名を留めるであろう、と言うことです。つまり、現世安穏とは、お金持ちになるとか社会的地位を獲得する、などの物理的なものからもう一段高い境界に進み、世界中から尊敬をされる人格を得ることを意味します。後生善処とは、亡くなった後まで名を残し人々から讃えられる現世的な意味と、来世においては折伏の功徳により、私たちの生命が永遠に輝き、その人の住処が善処である、との両面から示して下さるのです。

 私たちは、日蓮大聖人様のお遣いとして、周囲の人たちにもお題目を唱えるように勧めます。言葉を替えて言うと「折伏」です。『持妙法華問答抄』の御文では「心を一にして南無妙法蓮華経と我も唱へ」が自行となります。また「他をも勧めんのみこそ」が化他行です。この御指南からも分かりますように、自行だけの信心では成仏の功徳はありません。

 折伏の話になると一歩足が引けて、「歳だから」とか「時間がない」とか、中には「自分だけで十分」というような声を聞くことがあります。しかし、大聖人様の御指南は「成仏するには化他行がなければなりませんよ」と言うものです。日蓮正宗の信心から「折伏」を取ったら何も残りません。反対に「折伏」を実践するならば大きな功徳に浴する境界を築くことができます。

 御法主日顕上人上人猊下が、「唱題を重ね折伏を実践することが成仏の直道」と仰せになるのも、私たちに「今生人界の思出」を作ることの大切さを教えて下さる意味があると拝します。

 はや三月です。過ごしやすい季節になってまいりました。生命の息吹を大切にし共どもに精進し来世に持ってゆける「思い出」を作りましょう。

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