日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成16年7月4日 広布唱題会

立正安国論

立正安国論(新編御書二五〇頁)

立正安国論(御書二五〇頁)

汝早く信仰の寸心を改めて速やかに実乗の一善に帰せよ。然れば則ち三界は皆仏国なり、仏国其れ衰へんや。十方は悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微無く土に破壊無くんば身は是安全にして、心は是禅定ならん。此の詞此の言信ずべく崇むべし。


【現代語訳】

貴方はただちに自己中心的な今の信仰を悔い改め、すみやかに真実の教えに帰依しなさい。そうすれば、苦しみの世界といわれるこの世の中が、ことごとく仏様とともに住む国に変わります。仏様の国は衰えることはありません。世界はことごとく仏様の宝に包まれ、破れたり壊れることはありません。国が衰えることがなく、世界が破壊されることがなくなれば、わが身体に危険が及ぶこともなく、心穏やかな日々をおくることができるようになります。この言葉を信じ崇めるべきです。


「信仰の寸心」

寸心は小さい心、わずかばかりの考えのこと。ここでは「旅客」の「自己中心的な」心を寸心と指摘されます。


「実乗の一善」

安国論のご執筆時は、三大秘法のうちの「本門の題目」が明らかにされるのみでした。その後、「法華折伏・権門理」の旗を高く掲げ、三類の強敵を招きよせられて末法の御本仏の御境界を示されました。そして、弘安二年十月十二日に、一期の御化導の目的であられる「本門の本尊」を建立されました。したがって、滅後の私たち弟子旦那は、「実乗の一善とは、富士大石寺に御安置の『本門戒壇の大御本尊様』の御事である」と拝することが、相伝の宗旨である日蓮正宗の信仰です。


「三界はみな仏国なり」

欲界・色界・無色界の三種の境界。生死を繰り返す六道輪廻の迷いの衆生の住処をいう。安国論の冒頭の御文「天下の災・国中の難、余独り嘆くのみに非ず、衆皆悲しめり」(二三五頁)という状況を「三界」と表現され、南無妙法蓮華経の正法を持つことにより、苦しみの世界がそのまま仏の国に変わることを御指南下さいます。


「十方は悉く宝土なり」

十方は東・西・南・北の四方と、東北・東南・西北・西南の四維と、上下の二方を合計したもので、世界中との意。宝土は宝に満ちた国土。また、三宝に抱かれた国土といってもよいと思います。


○拝読の御文は、日蓮大聖人様の御指南の通りに、素直な心で富士大石寺の大御本尊様を受持し、南無妙法蓮華経と唱へる信心修行の功徳を説かれたところです。その功徳には、環境世界をも動かす強い力がある、というのです。ようするに、御本尊様への強い祈りと折伏の実践により、社会全体を浄化しその中にある私たちも等しく仏の利益を受けることができるようになるのです。御本尊様の「仏力・法力」の偉大さを思い、正直にその教えを受けることのできる我が身の福徳を思うとき、心の奥底から御本尊様への感謝の念がわき上がってまいります。最後に、「この日蓮の言葉を信じ崇めなさい」とあります。皆さま、『立正安国論』が出現した七月です。大聖人様のお言葉を信じ、自行化他の信心に励もうではありませんか。そして功徳を頂戴しようではありませんか。

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日蓮正宗向陽山佛乗寺