日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成16年8月1日 広布唱題会

寿量品

寿量品

寿量品

「是時諸子。聞父背喪。心大憂悩。而作是念。若父在者。慈愍我等。能見救護。今者捨我。遠喪他国。自惟孤露。無復恃怙。常懐悲感。心遂醒悟。乃知此薬。色香味美。即取服之。毒病皆愈」


「是の時に諸の子、父背喪(はいそう)せりと聞き、心大いに憂悩(うのう)して、是の念を作さく、若し父在(ちちおわ)しなば、我等を慈愍(じみん)して、能く救護せられまし。今者、我を捨てて、遠く他国に喪(そう)したまいぬ。自ら惟(おもんみ)るに孤露(ころ)にして復恃怙無(またじこな)し。常に悲感(ひかん)を懐(いだ)いて、心遂(こころつに)に醒悟(かくせい)しぬ。乃ち此の薬の色香味美を知って、即ち取って之を服するに、毒の病皆愈(やまいみない)ゆ」


 日顕上人は当経文を
 「毒にあてられて本心を失い、惑乱・顛倒した子供たちは、素直に父の言葉を信ぜず、良薬を飲もうとしません。したがって、その苦しみはいよいよますばかりであります。父の良医は、この子らを愍れみ、方便を設けてこの薬を服用せしめようとされます。その方便とは、子らの毒に酔った心を覚醒せしめるために、父が死去すると語り示すことであります。すなわち、父は毒に酔った子らに対し、『私は既に年老いて身体も衰え、まもなく死ぬであろう。此の良き良薬を今、ここに留て在くから、必ずおまえ達はこの薬を飲みなさい。飲めば必ず病苦が治癒するのだから、疑ってはならないよ』という教えを遺して、遠く他国へ旅立ちました。そして他国より使いを遣わして、子らに、『あなた方の父は、既に他国で亡くなりました』と伝えさせたのであります。
 子供たちはこれを聞いて心に大きな憂い、悩みを生じました。『慈悲深き父がおいでになれば、我らを慈しみ愍れんで、種々に救い護ってくださるであろう。しかし今、我々を捨てて遠い他国で亡くなられ、私たちはもう全く頼りない孤児になってしまった』と落胆し、常に悲しみに閉ざされてしまったのであります。
 この悲しみによって、父の慈愛と力をいまさらのように思い起こし、父がましますことに慣れてその言葉を信じないような、わがままの惑った状態から覚醒し、ついに本心に立ち返りました。そこで、父の残してくれた良薬の色も香りも味わいも勝れて美しいことを知り、直ちにこれを服用して、毒による病がことごとく愈えたのであります」
とご教示下さっております。


 私たちが唱題をするのは「色も香りも味わいも勝れて美しい」薬を飲むことです。それは、過去世の一切の罪障が消滅する大功徳を受けることになります。ところが凡夫は、良き薬が目の前にあっても、慣れによって良薬と感じることができなくなってしまうのです。惰性であり、懈怠です。このような生活態度を改める上からも、毎月一日の唱題行が大切なのです。

 御法主上人が大導師を努めて下さる唱題行に参詣し、争いのない社会が実現するように御本尊様に祈りましょう。

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日蓮正宗向陽山佛乗寺