日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成17年5月1日 永代経

妙法蓮華経方便品第二

(その一)

妙法蓮華経方便品第二

妙法蓮華経方便品第二

爾時世尊。従三昧。安詳而起。告舎利弗。諸仏智慧。甚深無量。其智慧門。難解難入。一切声聞。辟支仏。所不能知。所以者何。仏曽親近。百千万億。無数諸仏。尽行諸仏。無量道法。勇猛精進。名称普聞。成就甚深。未曽有法。随宜所説。意趣難解。


【書き下し】
爾の時に世尊、三昧より、安詳として起って、舎利弗に告げたまわく、諸仏の智慧は、甚深無量なり。其の智慧の門は、難解難入なり。一切の声聞、辟支仏の知ること能わざる所なり。所以は何ん。仏曽て、百千万億無数の諸仏に親近し、尽く諸仏の無量の道法を行じ、勇猛精進して、名称普く聞えたまえり。甚深未曽有の法を成就して、宜しきに随って説きたもう所、意趣解し難し。


【現代語訳】
そのとき、世尊(釈尊)は三昧より安らかにゆっくりと起きあがって、舍利弗に告げられました。「多くの仏に備わっている智慧は、甚だ深く、はかり知れないものである。其の智慧の門は、理解し難たく入り難いものである。すべての声聞も辟支仏も、理解することができないことである。なぜならば、仏はかつて百千万億という数え切れないほどの多くの仏に親しく近づいて、力を尽くして多くの仏の量り知れない教えを修行した。(その修行は)心に畏れる気持ちがなく、混ざり気のない純真な気持ちでの修行であった。そして、その名声は広く行きわたっている。そのように修行に励み甚だ深く未た曾てない法を成就した。(成就した法を)聴くものの力にしたがって説くのであるから、意味を理解し難いのである。


【語句の意味】
○世尊=仏のこと。ここでは釈尊。仏の呼び方に十種類あります。仏の十号といいます。如来(にょらい)・応供(おうぐ)・正遍知(しょうへんち)・明行足(みょうぎょうそく)・善逝(ぜんぜい)・世間解(せけんげ)・無上士(むじょうし)・調御丈夫(ちょうごじょうぶ)・天人師(てんにし)・仏世尊(ぶつせそん)の十種です。

○三昧=心を静に落ち着かせて動じないさまを言う。

○舍利弗=舎利弗多羅(しゃりほったら)・奢利富多羅(しゃりふたら)とも書き、舎利子(しゃりし)・身子(しんし)ともいう。シャリープトラの音写。音写とは梵語をそのまま漢字の音にあてはめることです。舍利弗もシャリプトラーを漢字で表現したものです。釈尊の弟子の中で智慧が一番であったといわれております。

○智慧=智は差別を意味し、慧は平等を意味します。「照らし見るを智と言い、解し了るを慧という」とあります。故に智と慧の両方が揃ってこそ真実の智慧なのです。

○声聞=教えを聞いて覚ることのできる修行者。

○辟支仏=独りで覚ることのできる修行者。独覚のこと。

○所以=なぜならば。いわれ。わけ。

○勇猛精進=勇猛は畏れのない心。精進は純粋、コツコツ。ゆえに、畏れる心がなく純粋にコツコツと修行に励むこと。精はお米の精米を思うこと。精米はコツコツと杵でつきます。

○普く=広く行きわたること。

○未曽有=いまだかつてあらず、と読む。過去になかったこと。

○宜しきに随って=ここでは聴くものの能力に随って、ということ。

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