日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成17年7月3日 広布唱題会

乙御前母御書

乙御前母御書 御書六八九頁
文永一〇年一一月三日 五二歳

乙御前母御書 (御書六八九頁)

道のとをきに心ざしのあらわるゝにや
 

 文永十年十一月三日の御書です。大聖人様はこのとき佐渡に配流の御身でした。文永八年十月に配流になってすでに二年の歳月が過ぎております。その大聖人を乙御前の母がお訪ねしたときの御文です。遠い道のりがご信心に対する姿勢をあらわしております、とのお言葉です。

 当時は鎌倉から佐渡の島までの距離以上に、厳しい道のりでした。夏期講習会で学んだように、鎌倉から佐渡までを往復するとゆうに一ヶ月を要します。時間的な面だけをとっても「道のとをき」ことが理解されます。

 さらに、次の御文からは、御本仏日蓮大聖人様にお目通りをする修行がいかに大変であったかが拝されます。

『忘持経事』(九五七頁)
下州より甲州に至る。其の中間往復千里に及ぶ。国々皆飢饉して山野に盗賊充満し、宿々糧米乏少なり 

 これは下総(現在の千葉県中山市)から大聖人様のもとに参詣した富木常忍に与えられ御書です。鎌倉時代の旅の苦労が手に取るように伝わってきます。

 街道には旅人の金品を狙う盗賊が出没し、時には命さえ危うい場合もあったことと想像されます。また、ぶじに宿にたどり着いたとしても、国中が飢饉で十分な食料もありませんでした。そのような中での登山参詣です。

 ですから、「過去世の重い罪障も、参詣の修行によりたちまちに消滅し、成仏の功徳が積めるのです」(南条殿御返事・一五六九頁)と大聖人様は励まして下さるのです。 考えてみますと、私たちは今、とても恵まれた環境での信心生活です。乙御前の母や富木常忍が、信仰の先輩として、私たちにどのような言葉をかけてくれるでしょうか。

「あなた方が恵まれた所で日蓮大聖人様の信仰が出来るのは、過去世において登山参詣を怠らずに励んだその功徳ですよ、その功徳を消すことなくさらにお励みなさい」

このように仰って下さることでしょう。

 道のとをきに心ざしのあらわるゝにや

 仏乗寺への参詣もまた同じです。本堂の御安置の御本尊様は日蓮大聖人様です。その思いで月々日々参詣されることは、はかりしれない功徳に浴することが出来るのです。 明年の御法主日顕上人のご下向を賜る仏乗寺落慶入仏法要に照準を合わせ、一人ひとりが罪障消滅の修行に励み、胸を張って御法主上人をお迎えする境界になろうではありませんか。

 そのためには、唱題です。折伏です。お寺への参詣です。これらの修行をするのが今です。今をおいてはありません。来世に悔いを残さないためにも、この一年を懸命に闘ってまいりましょう。


以 上
 

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