日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成19年5月6日 広布唱題会

上野殿御返事

上野殿御返事 (御書一四六四頁)
弘安三年三月八日 五九歳

上野殿御返事 (御書一四六四頁)

貴辺は日本国第一の孝養の人なり 梵天・帝釈をり下りて左右の羽となり 四方の地神は足をいたゞいて父母とあをぎ給ふらん


【通解】

 南条時光さんは日本国の中で一番親孝行な人です。大梵天や帝釈天が時光さんの左右の羽となって守って下さるでしょう。また、この大地を支えている地神は、時光さんの足下に跪き、父や母を敬うように大切にして下さるでありましょう。


【ポイント】

 当抄は弘安三年三月八日に身延から富士上野の南条時光に与えれらた御書です。当抄の冒頭には
「故上野殿御忌日の僧膳料米一たはら、たしかに給び候ひ畢んぬ。御仏に供しまいらせて、自我偈一巻よみまいらせ候べし」
とありますように、時光が父親である南条兵衛七郎の命日に際して、日蓮大聖人様にお米を御供養申し上げて追善供養を願い出たことに対してのお言葉です。 

 南条時光は七歳の時に父を亡くしております。幼いときに父と死に別れた時光は、父への孝養のために、日蓮大聖人様の教えを信じ、御本尊様に亡き父の追善供養を願ってゆくことを幼いながらも固く心に誓いました。

 その孝養の心を生涯に亘って貫き、「日本第一の孝養の人なり」とのお誉めの言葉を頂戴することができるようになったのです。

 大聖人様はそのような時光の信心を、諸天善神と地神の譬を以って励まして下さっております。つまり、大梵天や帝釈天は諸天善神の代表であり、諸天善神が羽となるということは、大きくて強い羽を持つことですから、災いや強敵が襲って来ても打ち破ることができる、ということです。また、娑婆世界の王である大梵天を羽とするのですから、どのようなところにも自由自在に行くことができる、との意味も込められていると拝します。

 また、大聖人様は『刑部左衛門尉女房御返事』(一五〇三頁)で、
「不孝の者の住所は常に大地ゆり候なり」
とおおせになり、親不孝な人が住むところは常に地震が起こり苦しみを受けなくてはならない、と仰せです。しかし、大地を支えている地神が跪(ひざまず)き大切にして下さるのですから、大地震のような大きな自然災害があろうとも親孝行な人は守られるのです。

 このように、大聖人様の仰せを守って、御本尊様に亡き方々の追善供養を願い出る信心により現世安穏の大きな功徳を受けることができます。

 五月は南条時光が亡くなった月です。法華講衆の信仰のあり方を身をもって示して下さった時光を手本として、親孝行の信心に励もうではありませんか。そして罪障消滅の功徳を受けてまいりましょう。

以上

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日蓮正宗向陽山佛乗寺