日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成19年6月3日 広布唱題会

如来滅後五五百歳始観心本尊抄

如来滅後五五百歳始観心本尊抄 (御書六五二頁)
文永十年四月二五日 五二歳

如来滅後五五百歳始観心本尊抄 (御書六五二頁)

無量義経に云はく「未だ六波羅蜜を修行する事を得ずと雖も六波羅蜜自然に在前す


【解説】

 日蓮大聖人が「本尊抄」の中で引用されるこの経文は、法華経の開経である「無量義経」の十功徳品第三の文です。お経文には、
「第七に是の経の不可思議の功徳力とは、若し善男子、善女人、仏の在世、若しは滅度の後に於て、是の経を聞くことを得て、歓喜信楽し、希有の心を生じ、受持し、読誦し、書写し、解説し、説の如く修行し、菩提心を発し、諸の善根を起し、大悲の意を興して、一切の苦悩の衆生を度せんと欲せば、未だ六波羅蜜を修行することを得ずと雖も、六波羅蜜自然に在前し、即ち是の身に於て、無生法忍を得、生死、煩悩、一時に断壊して、菩薩の第七の地に昇らん」
とあります。

 意味は、法華経を聴聞した者が歓喜の心を起こし、経文に説かれるような修行に励み、さらに仏の使として全ての衆生を仏のもとに導こうと願って励む修行は、六波羅蜜を修行しなくとも、六波羅蜜の修行をしたのと同じ功徳を受けることができる、というものです。

 六波羅蜜とは、
@布施波羅密─財物を与える財施、法を説く法施、恐れの心を取り除き安らかな心を与える 無畏施(むいせ)を修すること
A持戒波羅密─戒律を守ること
B忍辱波羅密─辱めや苦難を耐え忍ぶこと
C精進波羅密─身・口・意の三業を尽くして仏道修行に励むこと
D禅定波羅蜜─心を定めて静かに仏法の真理を深く思うこと
E智慧波羅蜜─真実を見きわめる智慧を得ること
の六種です。これは、菩薩が悟りを得るためにしなければならない修行を大きく分けて六種類としたのですが、実際にはこれから派生する諸々の修行が加わるので「六度万行」となります。万行ですから果てしない修行、ということで、生死生死を繰り返えす中で行う長くて厳しい修行のことです。

 しかし、法華経を受持し、折伏を行ずることにより、貴い菩薩方が長く厳しい修行の結果得ることのできる功徳と同じ功徳を凡夫の私たちが受けることができる、とされるのです。

 総本山第二十六世御法主日寛上人は、このことを「受持即観心」と御指南下さっております。受持する教えが素晴らしいから、その功徳も素晴らしいのである、ということです。申すまでもなく、受持する法は「文底下種の南無妙法蓮華経」です。日蓮大聖人が「日蓮が魂を墨に染め流して書きて候」と仰せ下さる御本尊です。ですから、この本尊抄は、
「ご本尊を受持し、大聖人のお使いとして折伏に励むならば必ず大きな功徳を受けることができる」
という御文なのです。

 功徳とは何か、それは成仏です。成仏とは何か、それは絶対の幸福感に立つことです。病気になっても、経済的な苦境に陥っても、どのような状況におかれても、左右されることのない安らかな心の状態を成仏、といいます。それを可能にしてくださる御本尊です。有り難いことではありませんか。共に励みましょう。

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日蓮正宗向陽山佛乗寺