日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成19年7月15日 盂蘭盆会拝読御書

四条金吾殿御返事

四条金吾殿御返事 (御書一五〇一頁)
弘安三年 一〇月八日 五九歳

四条金吾殿御返事 (御書一五〇一頁)

 殿岡より米送り給び候。今年七月の盂蘭盆供の僧膳にして候。自恣の僧・霊山の聴衆・仏陀・神明も納受随喜し給ふらん。尽きせぬ志、連々の御訪ひ、言を以て尽しがたし。何となくとも殿の事は後生菩提疑ひなし


【意訳】

 信州の殿岡から送られてきたお米を確かに受領いたしました。今年の七月に奉修されました盂蘭盆会の法要に際し、御宝前にお供え申し上げると共に、法要に参列して読経唱題をした僧侶へのお膳にいたしました。あなたの志は、かって目連尊者の供養を受けた僧侶も、霊鷲山で法華経が説かれた時に聴聞をしていた人々も、法を説かれた仏様も、さらには法華経を信仰する人を守ると誓っている諸天善神も、この度の志を受けとめてくださり、喜んで願を聞き届けてくださるでしょう。

 常日頃から尽きることのないお母さんを思う志、また心だけではなく、実際に日蓮の元に足を運ぶ修行を、どのように申し上げればよいのか、言葉では言い表すことができません。ただし、どのようなことがあろうとも四条金吾さん、あなたは来世に良きところに生まれることができます、とは言葉で言い表すことができます。



【お盆】

 この御文は鎌倉に住んでいた四条金吾さんが、お母さんのお盆の供養のために、領地であった信州の殿岡で取れたお米を大聖人様に御供養申し上げたときのものです。

 四条金吾さんは大変に親孝行な方でした。亡きお母さんのことを思って、常に大聖人様に追善供養を願い出られておりました。そのことが、「尽きせぬ志、連々の御訪ひ」という御文の意味です。あなたはいつも亡き母のことを思っておられます、ということです。

 そして、そのように亡き方を大切にする信心修行は「殿の事は後生菩提疑ひなし」とあるように、お母さんのことを思って重ねる修行に、四条金吾さん自身の功徳が重なることを教えて下さっております。

 私たちは五万年前からの生命を受け継いでおります。遺伝子として一人ひとりの生命の中に受け継がれているものは、自然災害や幾多の戦乱を乗り越えて伝えられたものです。ご先祖の生命の営みが今日の私であることを忘れてはなりません。飢えや暑さや寒さにたえて伝えられた命に感謝することが追善供養の本来の意義です。亡き方を大切に思う心は又自らも大切にする心を育んでいます。そのような人は、周りからも信頼され、大切にされるようになります。それがご信心の功徳なのです。

 暑い夏に負けないように、徳を積み、自らも周囲も幸福になるように、日蓮大聖人様の教えを守って精進を重ねようではありませんか。

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日蓮正宗向陽山佛乗寺