日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成19年7月1日 広布唱題会

上野殿尼御前御返事

上野殿尼御前御返事 (御書七五一頁)
文永一一年  五三歳

上野殿尼御前御返事 (御書七五一頁)

人のためによる火をともせば 人のあかるきのみならず 我が身もあかし されば 人のいろをませば我がいろまし 人の力をませば我がちからまさり 人のいのちをのぶれば 我がいのちののぶなり


【現代語訳】

 暗闇の中で、相手のことを思って、つけた明かりは自らの足下をも照らします。その例から考えると、人の血色をよくしてあげることは自らの血色をよくすることになり、人の力を強くしてあげれば自らの力も強くなります。人が長生きをするように手助けをしてあげたならば、自らも長生きが出来るようになります

(「色をます」とは食物や飲料を与えて体力を増進させることをいいます。また、「力を増す」とは、力添えをすることです)


【解説】

 先月の唱題行において、本尊抄の一文から、六波羅蜜を学びました。そして、六波羅蜜とは私たちの修行である、ということを申し上げましたが、その六波羅蜜の最初に、布施波羅密が挙げられておりましたのをご記憶かと思います。布施とは施すことであり、その施しの修行によって大きな功徳を受けられることを大聖人様は教えて下さるのです。

 現在の私たちの「布施波羅密」とは申すまでもなく御本尊様のことを教えてゆく修行です。折伏こそ布施波羅密の第一なのです。

 私たちの周囲には、病気や経済的なことで苦しんでいる人や、家庭や職場等での人間関係に悩んでいる人が大勢おります。そのような人に、御本尊様の事を聞かせ、御本尊様の前に導き、直面しているいろいろな問題を解決するための手助けをすることが、「人のためによる火をともす」ことです。そのような行動の結果、「我が身もあかし」とある如く、私たち自身が大きな功徳を受けることになります。

 総本山二十六世日寛上人は本尊抄文段の中で、
「此の本尊を信じて南無妙法蓮華経と唱うれば、則ち祈りとして叶わざる無く、罪として滅せざる無く、福として来たらざる無く、理として顕われざる無きなり」
と仰せ下さっております。

 この御指南のごとく、唱題を重ねることにより、必ず大きな功徳を受けることが出来ます。悩みや苦しみを楽しみに変えてゆく御本尊の功徳は間違いがありません。折伏は、このお言葉を伝えることです。そのことにより、苦悩から救われる友の笑顔に接することができます。それは又私たちも大きな喜びに包まれることになります。相手のことを思って折伏をしたのですが、相手が喜ぶ姿に我が心も歓喜する、という折伏の醍醐味がここにあります。したがって、折伏は相手の苦しみを除く菩薩の修業であるとともに、我が心にも喜びを感ずることの出来る素晴らしい修業なのです。

 御法主日如上人が、私たちに、「御命題の地涌倍増を必ず成就してまいりましょう」と御指南下さいます。この御指南は、「折伏をすることにより、自身の過去世からの罪障消滅が叶います。一生成仏の功徳は折伏をすることにより受けることができるのです。今生において幸福になりたいのであれば折伏が第一です」と励ましてくださる御慈悲からの言葉なのです。

 七月は「立正安国論の月」です。意義ある月に、意義ある結果を顕してゆくことができますように励みましょう。そして、二年後に迎える七月十六日の大きな節目を、異体同心の実を挙げて、歓喜の心で迎えることができますよう折伏の修行を重ねましょう。

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