日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成21年2月1日 広布唱題会

一生成仏抄

〜 祈り 〜

一生成仏抄(御書四十六頁)
建長七年 三四歳

一生成仏抄 (新編御書四十六頁)

若し心外に道を求めて万行万善を修せんは、譬へば貧窮の人、日夜に隣の財を計へたれども、半銭の得分もなきが如し。然れば天台の釈の中には「若し心を観ぜざれば重罪滅せず」とて、若し心を観ぜざれば、無量の苦行となると判ぜり。故にかくの如きの人をば仏法を学して外道となると恥しめられたり

 この御文で大聖人様は、天台大師の教えを引用され、「私たちの心と別のところに仏の世界があるのだと思って修行に励んでも、それは隣の人の財を数えても自分の財とはならないのと同じで、自身の心の中に仏の世界があることを知らなければ過去世からの重い罪障を消滅することはできない、『観心』の修行を抜きにして仏法を学んでも、結局は外道の教えになる」と御指南です。因みに、ここでいうところの「観心の修行」は唱題です。さらに、

迷ふ時は衆生と名づけ、悟る時をば仏と名づけたり。譬へば闇鏡も磨きぬれば玉と見ゆるが如し。只今も一念無明の迷心は磨かざる鏡なり。是を磨かば必ず法性真如の明鏡と成るべし。深く信心を発こして、日夜朝暮に又懈らず磨くべし。何様にしてか磨くべき、只南無妙法蓮華経と唱へたてまつるを、是をみがくとは云ふなり

と仰せになられ、成仏(仏)も不成仏(衆生)も私たちの一心にあり、不成仏は曇った鏡のようなもので、鏡を磨くことにより仏に成ることができるのである。磨くことは唱題をすることである、と実に明確な御指南です。この「観心」について、日寛上人は、『当流行事抄』で、
「末法の観心は信を以って本と為す」
と仰せです。信じて唱題をすることが根本、さすれば仏に成ることが叶う、との有り難い御指南です。では何を信ずるか、そのことを同じく『当流行事抄』に、
「須く文底下種の三宝を信ずべし。是れ則ち末法適時の信心なり。(乃至)然りと雖も謗法罪の衆生は悪業の因縁を以って無量阿僧祇劫を過ぐれども、此くの如き三宝の名を聞かず。故に経に説いて、『是の諸の罪の衆生は三宝の名を聞かず』と云うなり。唯信行具足の輩のみ有って則ち皆此くの如きの三宝を見ることを得」
と御指南下さっております。「文底下種の三宝」とのお言葉は本宗のみが言うことのできるものです。身延や池上、立正佼成会や創価学会にはわからない真実の三宝の意義が示されているからです。『三宝抄』に
「地涌大菩薩末法の初めに出現せさせ給ひて本門寿量品の肝心たる南無妙法蓮華経の五字を一閻浮提の一切衆生に唱えさせ給ふべし文。一々文中肝要は並に文底の本因妙を指すなり。是れ則ち末法下種の法宝なり。其の本因妙教主は即末法下種の仏宝なり。付属伝授は即ち是れ僧宝なり」
とあり、文底下種の三宝を示されております。その三宝とは、
 一、仏宝は宗祖日蓮大聖人
 一、法宝は南無妙法蓮華経
 一、僧宝は日興上人、さらに血脈を御所時される代々の御法主上人
です。この日寛上人の仰せにしたがい、私たちは、仏宝であられる日蓮大聖人様が、「余経も法華経も詮無し、但南無妙法蓮華経」と仰せのままに、法宝の本門戒壇の大御本尊様に向い、僧宝のお立場にあられる御法主日如上人の大導師のもとで唱題に励むのです。この修行により成仏の功徳を受けることが叶います。また、この唱題行は「異体同心」を築く修行でもあります。

『生死一大事血脈抄』には、
「総じて日蓮が弟子檀那等自他彼此の心なく、水魚の思ひを成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱へ奉る処を、生死一大事の血脈とは云ふなり、然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり。若し然らば広宣流布の大願も叶ふべき者か。剰へ日蓮が弟子の中に異体異心の者之有れば、例せば城者として城を破るが如し」 (五一四頁)
とあるように、異体同心を破る者は「城者破城」の謗法者です。『曾谷殿御返事』では、
「何に法華経を信じ給ふとも、謗法あらば必ず地獄にをつべし。うるし千ばいに蟹の足一つ入れたらんが如し。『毒気深入・失本心故』とは是なり」(一〇四〇頁)
と仰せになり、異体同心を乱す行為は、千日間の修行の功徳も無に帰すばかりか、反対に地獄に堕ちる、と厳しく制誡されています。

 御授戒を受けていたとしても、御本尊様を持っていたとしても、御法主日如上人のもとで、御法主上人のお心のままに唱題のできない輩は成仏が叶いません。互いに誡めましょう。ことに、今年は立正安国論が顕されて七五〇年目の大きな節目です。正法広布に向かって進む異体同心の団結を打ち破ろうとする魔が必ず跳梁します。これを避けて通ることは絶対にできません。魔を魔と見抜き、打ち破る強い修行に、魔は恐れをなして退散します。また、怨嫉や嫉妬などの己心の魔に打ち破ることによってのみ、大きな慈悲の世界が無限に広がることを堅く信ずるべきです。

 二月は折伏の月です。日蓮大聖人様がお生まれになった意義深い二月に、各々折伏を成し遂げる、との強い思いこそ自他共に幸福になる秘訣です。寒さが続きます。御自愛を祈ります。

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日蓮正宗向陽山佛乗寺