日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成21年3月20日 春季彼岸会

お彼岸

 春の彼岸会を奉修いたしましたところ、皆さまにはご多用の中ご参詣をされ、まことにご苦労様です。皆さまの修行により、亡き方が功徳を受けることができます。またその功徳は皆様方の功徳です。亡き方と生きている私たちが共に成仏の功徳を受けることのできる信仰です。お励みを下さい。

 さて、「暑さ寒さも彼岸まで」といわれたのは過去のこと、ともいえる昨今の気象状況です。ことに今年の桜の開花は、そのことを象徴しているようにも思えます。ある植物学者は、このままでは、日本の気候は温帯気候から熱帯気候に移行し、桜もやがては咲かなくなってしまうかも知れない、と指摘しております。環境のみならず、政治も経済も混迷の中です。

 桜の開花に象徴される「不安」な社会の出現を嘆かない人はいません。しかし、このような状況にいたったのも私たちの行いの結果です。そして、それは末法という時の姿なのです。この時にあたって、日蓮大聖人様は、
「わがちゑなににかせん。たゞあつきつめたきばかりの智慧だにも候ならば、善知識たひせちなり」
と仰せになり、凡夫の浅い智慧のみで決するのではなく「善知識」つまり、仏の智慧をもつことが大切である、と教えて下さいます。今こそ、自己中心の「あつきつめたきばかりの智慧」ではなく、「善知識」をもつときなのです。

 今から七百五十年前の文応元年に、末法の仏様であられる日蓮大聖人様が『立正安国論』を顕されました。その中で、混沌とした社会を正し、一人ひとりが幸せになるためには、南無妙法蓮華経と修行をすること以外にない、と御指南下さっております。浅はかな凡夫の智慧に依るのではなく、仏の智慧によって進む道を開いて下さったのです。

 本日この佛乗寺にご参詣された皆さまは、日蓮大聖人様の御教えに過去から深く縁を結ばれた方ばかりです。自らの「智慧」に頼ることなく、仏様の智慧を人生の指針とされているのですから、仏様の御加護があることは疑いのないところです。

 また、日蓮大聖人様の仰せ下さるように、御本尊様のもとに足を運び、御先祖をはじめとする亡き方々への思いを姿で表す修行は、亡き方に功徳をお贈りすることになります。塔婆を建立していただいたそれぞれの方々がお喜び下さっております。そして、その喜びの心は、御本尊様を通して皆さまに戻ってまいります。亡き方、残された方共に功徳を受けることのできる信心なのです。 さらに、日蓮大聖人様が、
「いかにもいかにも追善供養を心のをよぶほどはげみ給ふべし」(御書三三八)
と仰せになり、「亡き方を大切にしなさい」と御指導下さるのは、命を大切にしなさい、ということであり、それは人間だけではなく、全ての生きとし生けるものを大切にすることを教えて下さったお言葉です。

 亡き方を思い、自身を思い、さらに周囲の全てに思いをめぐらす日蓮正宗の修行は、地球環境を考えることにも通じます。自信と誇りをもって精進を重ねましょう。

 四条金吾殿御返事に曰わく
「真実一切衆生色心の留難を止むる秘術は唯南無妙法蓮華経なり」( 一一九四頁)
以 上

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日蓮正宗向陽山佛乗寺