日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成23年3月6日 広布唱題会

種々御振舞御書

〜 上品の孝養 〜

種々御振舞御書 (御書 一〇六〇頁)
建治二年 五五歳

種々御振舞御書 (御書一〇六〇頁)

されば日蓮貧道の身と生まれて、父母の孝養心にたらず、国の恩を報ずべき力なし。今度頚を法華経に奉りて其の功徳を父母に回向せん。其のあまりは弟子檀那等にはぶくべし


【上品の孝養】

 仏法では、親孝行に三種あると説かれております。上品(じょうぼん)の孝養、中品(ちゅうぼん)の孝養、下品(げぼん)の孝養と云われるものです。何れも孝養には違いはなく貴いものです。ただし、仏様がこのように説かれたのは、子供の心を中心とした親孝行を戒める上からであることに留意しなくてはなりません。
 三種の孝養を考えてみますと、
・下品の孝養=飲食を満たし、住居を安んじること。
・中品の孝養=親の意見を良く聞いてその教えに随うこと。
・上品の孝養=正法に導くこと。
になります。このことから、下品の孝養は物質的な面が表にあり、中品の孝養は精神的な面が表にあることがわかります。最高とされる上品の孝養は、現世での孝養を超えた、過去・現在・未来の三世の生命観に立ったものであることが明らかです。正法とは、私たちの立場でいえば、南無妙法蓮華経以外にありません。つまり、未入信の父母を日蓮大聖人様の教えに導き、ともに唱題をし御本尊様の功徳を教えることが最高の孝養となります。 拝読の御文から、大聖人様は私たちに真実の親孝行を教えて下さり、また御自身がそれを実践されたことを示されるものです。
 「貧道の身」とは貧しく経済的に恵まれていないことを意味し、飲食を満たし住居を安んじることができなかったことです。また、ご両親の信仰は真言あるいは天台の教えであり、大聖人様が南無妙法蓮華経と宗旨を建立されたことに反対をされていたことから、下・中の孝養について、「父母の孝養心にたらず」、つまり、親孝行ができなかったと仰せなのです。
しかし、大聖人様は竜の口法難において、法華経の修行により首を切られる身となりました。これは、経文に説かれるままに修行に励んだ結果であり、そのことは、とりもなおさず成仏の功徳を受けることが叶った、ということを示されているのです。その上で、仏と成られた御身から、ご両親に、「其の功徳を回向せん」と仰せになり、既に亡くなられたご両親に仏様の功徳をお贈りして、成仏に導くのである、と述べられております。
 このように、日蓮大聖人様が教えて下さる孝行は、下品・中品の現世的な親孝行から、一歩も二歩も深く入った、三世に亘る真実の親孝行であり、大聖人様の実践はここにあります。
私たちが今日、日蓮正宗富士大石寺の教えの中に身をおき、創価学会を始めとする邪宗邪義の者たちからの誹謗悪口にも負けないで、御法主上人猊下の御指南のままに、広布に向かって折伏の修行に励むことは、穢れた身を仏身に変えることであり、愚かな心を仏心に変えることになるのです。これこそ大聖人様がなされた実践を、平成の世に弟子檀那の立場で再現していることになります。
 そして、その功徳は、必ず亡きご両親やご先祖、また縁ある方々に回向することが叶うのです。上品の孝養は、私たち一人ひとりの強い確信と、素直で正直な信心修行がすべてです。一切の人々を導いてゆく功徳を受けることができることを信じ、彼岸の月である三月の闘いを進めてまいりましょう。

以上

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日蓮正宗向陽山佛乗寺