日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成26年10月1日 永代経

三世

《死後を信じることは過去を信じること それは現世を元気に生きるコツ》
〔三世〕

過去世・現在世・未来世(当来世)をいう。物や時間などの姿形が生まれたり消滅したりする様子を過去・現在・未来に分けた見方。

因みに、佛法では「世界」の世は三世を意味し、界は東・西・南・北の四方と上・下のことを意味する。つまり、「世界」とは時間と所の全体を表す言葉で、私たちの住む国土は時間的にも物質的にも一つであることを表したものである。

『善無畏三蔵抄』(御書五〇九頁)

我等過去現在未来の三世の間に仏に成らずして六道の苦を受くるは偏に法華経誹謗の罪なるべし。女人と生まれて百悪身に備ふるも、根本此の経誹謗の罪より起これり。

(通解)

 私たちが、過去・現在・未来の三世の間に仏に成ることなく天界・人界・修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界の六種の苦しみの世界を離れることができない原因はただ一つ、法華経を誹謗した罪があるからです。女性として生まれて百悪が身に備わる根本も、法華経を誹謗した罪に原因はあるのです。


○六道=天界・人界・修羅界・畜生界・餓鬼界・地獄界の六種の境界。この六種の境界に繰り返し生まれ変わることを、「六道輪廻」という。これに対して、仏界・菩薩界・縁覚界・声聞界を四聖という。

○百悪=あらゆる悪のこと。百は全て、一切の意。ちなみに百悪より少ないと思われる十悪は、@貪欲、A瞋恚、B愚痴(心の中にあるもの)C綺語、D両舌、E悪口、F妄語(口によるもの)G殺生、H偸盗、I邪淫(身によるもの)


『上野殿後家尼御返事』(御書三三八頁)

方便品に云はく「是の法法位に住して世間の相常住なり」云云。世間のならひとして三世常恒の相なればなげくべきにあらず、をどろくべきにあらず。相の一字は八相なり、八相も生死の二字をいでず。かくさとるを法華経の行者の即身成仏と申すなり。

(通解)

 法華経の方便品に「是れは法住、法位にして、世間の相、常住なり」とあります。世間の定めとしても過去現在未来の三世は変わらないもの、不変である、とされております。従いまして、(御主人が亡くなられたことを)嘆いたり驚いたりしてはなりません。「相」という字は、八相という仏が衆生を導く上で示された八種類の姿のことです。この八相もつまるところは死と生のことで、仏の身であっても生死生死の繰り返しなのです。このように法華経の行を信仰する私たちの即身成仏なのです。


○是の法法位に住して世間の相常住なり=方便品の文。通解した通りに読むことが正しい読み方であると思える。理由は、十九世紀ネパールで発見されたサンスクリット語の写本による。「是れ」は一仏乗を指す。意味は、法華経の教えは常に此所にあって不滅の教えである。同じように変化するように見える世間のあり方もなんら変わるものではない、という意です。

○三世常恒=過去現在未来の三世に亘って常にあること。不変の意。

○八相= 釈尊が生涯に顕した八種の姿。@下天(降兜率・ごうとそつ)・A托胎(たくたい・入胎)・B出胎(隆誕・こうたん)、C出家、D降魔(ごうま)、E成道、F転法輪、G入滅のこと。八相成道という。


※来月はこの続きで、「三世の因果」・「三世一念」等を学びたいと思います。好き季節です。大聖人様のお使いに励み、罪障を消滅して、善き来世に生まれ変わりましょう。

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日蓮正宗向陽山佛乗寺