日蓮大聖人御書拝読と御法話

平成26年11月15日 目師会(日目上人御報恩御講)並に七五三拝読御書

上野殿尼御前御返事

上野殿尼御前御返事(平成新編御書七五一頁)
文永一一年 五三歳

上野殿尼御前御返事 (平成新編御書七五一頁)

人のためによる火をともせば人のあかるきのみならず、我が身もあかし。 


《現代語訳》


夜人のために、と思ってを火を灯すと、相手の人だけが明るくなるのではありません。自らも明るく照らされます。


○相手を思うことは自分を思うこと

 日蓮大聖人様はこの御文で、人のことを思って行うことはすべて自身の徳となって返ってくる、と述べられます。

 よく知られた「情けは人のためならず」という諺も、本来は佛法の教えである「六波羅蜜」から出たものなのです。

 六波羅蜜(ろくはらみつ)とは、菩薩様たちが悟りを得るために行う修行の一つで、その中の布施波羅密(ふせはらみつ)には次のようなものがあります。

〔一〕財施(ざいせ・財を施すこと)。御本尊様への御供養がこれにあたります。
〔二〕法施(ほうせ・仏樣の教えを説くこと)。大聖人様のお使いをすることです。
〔三〕無畏施(むいせ・恐れの心を取り除くこと)

 この三種類が基本となり、次の七施(しちせ)が説かれます。これを見ますと、私たちが日常生活の中で何気なくしていることも仏道修行であることに気づきます。

 @眼施(げんせ)・優しい眼差。
 A和顔悦色施(わげんえつじきせ)・笑顔、喜びの顔。
 B言辞施(ごんじせ)・優しい言葉、思いやりのこもったあたたかい言葉。
 C身施(しんせ)・手を差しのべるなどの身体的な事柄。
 D心施(しんせ)・他の人々を思いやる心。
 E床座施(しょうざせ)・座る場所を譲ること。
 F房舎施(ぼうしゃせ)・家や部屋などを他者の為に用いること。

 このようなことから、私たちは「日々の生活も御信心です」申し上げるのです。

 但し、周りの人々に、親切にしたり優しく接しても、決して見返りを期待してはなりません。何故ならば、ここに述べましたように、菩薩の修行をしたことになるのですから、形には表れなくとも、心の中に見えない徳として積まれるからです。

 大聖人様は、上野殿の夫人を通して、仏道修行は他者との闘いではなく、自身との闘いです。そのことを理解すれば、功徳も実感することができます、と教えて下さっております。この七施の中の一つでも心に留めて日々を過ごすことができれば、心豊かになることが出来ます。

 本日は総本山の第三祖・日目上人様の御命日の法要です。この日が、七五三のお祝いと重なっていることから、日目上人様の御高徳に導かれ、お子様たちが元気で明るく成長することを願って読経唱題をいたしました。

 ご参詣の皆さまに大きな功徳が具わったことを信じます。この上は、お子様たちに、日蓮正宗富士大石寺の御信心を伝えて行けるように、保護者の皆さまも益々ご精進されますよう念願致します。

 寒い季節に向かいます。北風に負けそうになったときには「南無妙法蓮華経」です。御本尊様の御加護は、皆さまに平等です。お励み下さい。(日蓮正宗佛乗寺)


○六波羅蜜(はらみつ)

@布施(ふせ)  
A持戒(じかい) 戒律を持つこと。
B忍辱(にんにく) 迫害や苦難を耐え忍ぶこと。
C精進(しょうじん) こつこつと六波羅蜜の修行に励むこと。
D禅定(ぜんじょう) 心を定めて真理を求める修行。
E智慧(ちえ) 真理を見極める正しい心。その心を持ってさらに修行に励むこと。

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日蓮正宗向陽山佛乗寺