日蓮大聖人御書

日蓮大聖人御書講義・法話集:平成28年8月15日盂蘭盆会/日蓮正宗佛乗寺

『四条金吾殿御返事』
お盆の法要を通して日蓮大聖人様が教えて下さる親孝行を学びましょう

日蓮大聖人御書:『四条金吾殿御返事』(平成新編日蓮大聖人御書・四六九頁/全集一一一一頁)

『四条金吾殿御返事』 (御書・四六九頁)

雪のごとく白く候白米一斗、古酒のごとく候油一筒、御布施一貫文、態と使者を以て盆料送り給び候。殊に御文の趣有り難くあはれに覚え候。 日蓮此の業障をけしはてゝ未来は霊山浄土にまゐるべしとおもへば、種々の大難雨のごとくふり、雲のごとくにわき候へども、法華経の御故なれば苦をも苦とおもはず。 かゝる日蓮が弟子檀那となり給ふ人々、殊に今月十二日の妙法聖霊は法華経の行者なり日蓮が檀那なり、いかでか餓鬼道におち給ふべきや。 定んで釈迦・多宝仏・十方の諸仏の御宝前にましまさん。是こそ四条金吾殿の母よ母よと、同心に頭をなで悦びほめ給ふらめ。あはれいみじき子を我はもちたりと、釈迦仏とかたらせ給ふらん。

@【御文】《お盆の御供養》

 雪のごとく白く候白米一斗、古酒のごとく候油一筒、御布施一貫文、態と使者を以て盆料送り給び候。殊に御文の趣有り難くあはれに覚え候。

  お盆の御供養として白米を一斗、よく精製した油を一筒、お金を一貫、これらの物を特別に使を仕立てて大聖人様にお送りしました。そのときに送状を四条金吾殿は書きました。内容は、先年に亡くなったお母さんが餓鬼界に堕ちて苦しみを受けているのではないかと心配する内容でした。大聖人様は母親のことを心配する四条金吾殿に対して、「御文の趣有り難くあはれに覚え候」と仰せになられます。

A【御文】《法華経の教えを実践することが最大の歓び》

 日蓮此の業障をけしはてゝ未来は霊山浄土にまゐるべしとおもへば、種々の大難雨のごとくふり、雲のごとくにわき候へども、法華経の御故なれば苦をも苦とおもはず。

  このお手紙は佐渡に御流罪になる一年前です。多くの法難が大聖人様を始め門下に襲いかかっている状況の中で、「現在起こっている様々な苦難は、過去世における業が現れているのであるから、今日このように苦しむことは罪を消し去る修行である。ゆえに苦しみを苦しみとは思わない」と仰せになります。ここで大聖人様は、過去、現在、未来という三世の生命観からこのように教えて下さるのです。今生において、法華経を信仰する者が受ける苦難は来世の歓びになるというのです。そこで

B【御文】《法華経の信者は餓鬼道には絶対に堕ちない》

 かゝる日蓮が弟子檀那となり給ふ人々、殊に今月十二日の妙法聖霊は法華経の行者なり日蓮が檀那なり、いかでか餓鬼道におち給ふべきや。

  このように教え実践する日蓮の弟子檀那、特に昨年の七月十二日に亡くなられたお母さんの妙法聖霊は法華経の信仰をされており、日蓮の弘教を助ける檀那です。どうして餓鬼界の苦しみを受けるようなことがありましょうや、と四条金吾殿を励まされるのです。

  このところは、末法の御本仏としての、確信に満ちた有り難い御指南であると拝することが大切です。日蓮大聖人様の仰せのままの信心に、大きな功徳をいただけることを示して下さる御文です。

  また、ここで「妙法聖霊は法華経の行者なり」とあります。このことから四条金吾殿のお母さんは日蓮大聖人様から「妙法」という戒名を頂戴していたことが明らかになります。「日蓮大聖人様が信徒に戒名を付けたりしたことはなかった」と池田創価学会の者たちはいいますが、御書に背くことであり、謗法の言辞です。周囲にそのような者がいたならばこの御文を教えてあげ、成仏へ導きましょう。

C【御文】《孝養を悦ぶ亡き母の姿》

 定んで釈迦・多宝仏・十方の諸仏の御宝前にましまさん。是こそ四条金吾殿の母よ母よと、同心に頭をなで悦びほめ給ふらめ。あはれいみじき子を我はもちたりと、釈迦仏とかたらせ給ふらん。

  さらに重ねて、亡きお母さんの来世に於ける住処を具体的に示されます。すなわち仏様と共にということです。現在の私どもの信心から拝するならば、富士大石寺に御安置の、本門戒壇の大御本尊様の御前で、大聖人様と共に、ということです。そこにおいて、お母さんは日蓮大聖人様より、「この方こそあの四条金吾殿の母親である、母親である」と頭をなでていただき、お誉めの言葉を頂戴しております。そして、「私は親孝行な子供に恵まれて幸せです」と大聖人様とお話をされております。

  「四条金吾殿」と、皆さまの名前を入れ替えてみて下さい。皆様の縁の方がお悦びです。

【まとめ】

  日蓮大聖人様は『開目抄』で、「此の経は孝経なり」と仰せになります。御本尊様の信仰を持つだけでも親孝行になるのですが、四条金吾殿のように貴い浄財を御供養として大聖人様にお供えし、亡き母の追善供養を願い出ることは、孝養を実践するということになります。

  この御文から、日蓮大聖人様御在世当時から、お盆の法要が執り行われていたことがわかります。その形態も今日の私どもが行っているように、御供養を御本尊様にお供えし、塔婆を建立します。

  富士大石寺は七百年の間、大聖人様の仰せのままに、時の御法主上人を手継の大師匠と仰ぎ、化儀を護り伝えてまいりました。形式ではなく法義の上からの、心を込めた化儀の執行が、富士大石寺の信仰を実践することでもあります。

  私どもは凡夫ですから眼前のことに心を奪われ、亡くなられた人のことが気にかかっていても、四条金吾殿のように実践できずに後回しになりがちです。ところが、厳しい状況にありながら、本日ご参詣の皆さまは、日蓮大聖人様の教えをよく信じ、追善供養に励まれます。皆様のご信心に御本尊様から成仏の功徳を頂戴することができます。皆さまが成仏の境涯を築くことは、亡くなられた方々の成仏に通ずるとご確信下さい。

 暑さはまだまだ続くことと思います。ご参詣の皆さまのご健康を御祈念申し上げます。


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日蓮正宗向陽山佛乗寺

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