日蓮大聖人御書

日蓮大聖人御書講義・法話集:平成29年3月5日広布唱題会/日蓮正宗佛乗寺

上野殿御返事

上野殿御返事:平成新編日蓮大聖人御書(一三五九頁)

弘安二年一〇月一日 五八歳

『上野殿御返事』 弘安二年一〇月一日 五八歳 (御書・一三五九頁)

 無量義経に云はく「四十余年未だ真実を顕はさず」と。法華経に云はく「世尊の法久しくして後、要ず当に真実を説きたまふべし」と。多宝仏は「皆是真実なり」とて、法華経にかぎりて即身成仏ありとさだめ給へり。爾前経にいかやうに成仏ありともとけ、権宗の人々無量にいひくるふとも、たゞほうろく千につち一つなるべし。「法華折伏破権門理」とはこれなり。尤もいみじく秘奥なる法門なり。

《大聖人様の八百歳のお誕生を、八十万人以上の法華講衆でお祝い申し上げましょう》

【語句の意味】

○無量義経=法華経の予備、序説として顕されたお経で、真実の教えをこれから説き開かすお経、という意義の上から「法華経の開経」と云います。それに対して、法華経の教えを閉じる、結ぶ意義から『観普賢菩薩行法経』のことを「結経」といいます。

○四十余年未だ真実を顕さず=これは、私(釈尊)が教えを説き始めてから四十数年たちましたが、これまでに真実の教えは説きませんでした、というものです。

○世尊の法久しくして後要ず当に真実を説きたまふべし=法華経方便品に示される文です。この文は、私たちが毎朝夕読誦している少し後に説かれております。「世尊は法久しくして後」は、釈尊が長い間お説法をされた後、ということです。次の、「要ず当に真実を説きたまふべし」は、必ず真実を説かれる、という意味です。開経の無量義経で、「四十余年の間真実の教えは説きませんでした」とされたことを受けて、「これから真実の教えを説きます」と続くことが分かります。

○多宝仏=法華経見宝塔品第十一で、金・銀・瑠璃・馬瑙等の七種類の宝で飾られた大きな塔が出現します。その中に多宝如来がおわしまして、「釈尊の説かれることは真実です」と法華経の正しさを証明されたことを云います。

○法華折伏破権門理=天台大師が『法華玄義』で説かれた言葉で、「法華経の教えは折伏を実践することです。それまでの権り(仮りと同意・方便とも云う)の教えに執着している心を打ち破ることです」と、天台大師も折伏の修行を教えられたことが分かります。

本日拝読の最後に、「尤もいみじく秘奥なる法門なり」とあります。「日蓮が説く南無妙法蓮華経の教えは、法華経の奥底に秘められていた最高のもので、この教えを信ずることで真理の門に入ることができます」とのお言葉を、南条時光は信仰の依りどころとし、さらには誇りとして、周囲の人たちを折伏し、大きな功徳を受けました。この御文は、時光ばかりか私たちにとっても信仰の依りどころであり、誇りとするものです。

折伏は、相手の信じている教えが真理ではないことを教え、ただ一つしかない真理に導くための方法です。真理に導くのですから世界で一番難しいことをしているのが私たちです。仏法にかぎらず、難しいことは貴いことです。大聖人様のお言葉を信じて、勇気と誇りと自信を持って折伏に臨み、親や子はもちろん、友人知人を御本尊様に導こうではありませんか。

春になりました。八十万人以上の法華講衆が、大聖人様八百歳のお誕生をお祝い申し上げることを目標にして、御法主日如上人の御指南のままに進んでまいりましょう。

以上


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日蓮正宗向陽山佛乗寺

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