日蓮大聖人御書

日蓮大聖人御書講義・法話集:平成29年7月2日広布唱題会/日蓮正宗佛乗寺

報恩抄

報恩抄:平成新編日蓮大聖人御書(九九九頁)

建治二年七月二一日 五五歳

『報恩抄』 (御書・九九九頁)

夫老狐は塚をあとにせず、白亀は毛宝が恩をほうず。畜生すらかくのごとし、いわうや人倫をや。

 『報恩抄』の冒頭の御文です。現代語に訳しますと、

「年老いた狐は、生まれ育った巣の恩を忘れず、死ぬときには巣に足を向けるようなことは決してしない。また、中国の故事には、白亀と毛宝のことが説かれている。それによれば、昔、毛宝将軍に助けられた白い亀は受けた恩を忘れず、戦で川岸に追い詰められ窮地に立っていた毛宝を甲羅に載せて対岸に渡すことで恩を返した。畜生界の狐や亀でさえ、恩を忘れることがないのである。私たち人界の衆生は、畜生界衆生よりもはるかに恵まれた境界にいるのであるから、受けた恩に報いることを忘れてはならない」

となります。

 大聖人様の信仰は、「報恩」を大切にいたします。この『報恩抄』でもお分かりのように、恩を忘れる者、恩返しが出来るのにしない者は、畜生界の狐や亀にも劣るものであり、人間以下である、と誠に厳しいものです。
幸いにして私たちには、大聖人様が『上野殿御消息』で、

  法華経を持つ人は父と母との恩を報ずるなり。我が心には報ずると思はねども、此の経の力にて報ずるなり。

と仰せ下さる信仰があります。御本尊様を持ち、素直な心でお題目を唱え折伏を行じております。でありますから、貧しい我が心、弱い我が心では、父母の恩を報ずる力は無くとも、御本尊様のお力で、大聖人様のお力で、立派に父母の恩を報ずることができます。ご安心下さい、心配ありません。さらに法華経の信仰に励みましょう、とのありがたいお言葉です。

 総本山二十六世日寛上人は、先の『報恩抄』を解説した『報恩抄文段』で、

  問う、報恩の要術、その意は如何。答う、不惜身命を名づけて要術と為す。謂く、身命を惜しまず邪法を退治し、正法を弘通すれば、即ち一切の恩として報ぜざること莫きが故なり。

と述べられ、最高の報恩は折伏をすることである。誤った教えを退け、正しい御本尊様の教えである富士大石寺の信仰を弘めるならば、最高の親孝行、報恩になる、と明確に御指南です。

 今月はお盆の月です。御先祖の恩に報いるためにも、大聖人様の御法を弘め、真実の報恩、親孝行に励んでまいりましょう。

 

(日蓮正宗佛乘寺)


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日蓮正宗向陽山佛乗寺

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