立宗七百五十八年の
新春を寿ぎ奉る


〜大白法 新年特集号より〜

御法主日如上人猊下 新年の辞

 立宗七百五十八年の新春を迎え、御隠尊日顕上人猊下には御機嫌麗しく新年をお迎えの御事と存じ上げます。

 また、全国法華講員御一同には、清々しく新春を迎え慶賀の至りに存じます。

 本年、宗門は僧俗一致の盤石なる体勢を構築して、来るべき平成二十七年・同三十三年の新たなる目標へ向かって、力強く前進すべき誠に大事な年を迎えました。

 今、国内外を見ると、温暖化による地球規模での異常気象、生態系の変化、飢饉や災害、更に戦争や動乱、至る所で起きているテロや暴動、世界的な経済不況、政治への不満と不信、ますます凶悪化する犯罪など、悲惨で不幸な事件が頻発し、混沌とした世相を映し出しています。

 こうした人心が極度に混乱した濁悪の世の中を救っていく唯一最善の方途こそ、「仏法は体、世間は影」の原理に随って、末法の御本仏宗祖日蓮大聖人の正法正義を受持する我等一人ひとりが、地涌の使命を自覚して、一切衆生救済の大願に立ち、一人でも多くの人に妙法を下種し折伏を行じていくことであることを銘記しなければなりません。

 而して、折伏を行ずるに当たって大事なことは種々説かれておりますが、その根本となるものは慈悲であります。

 大聖人は『諌暁八幡抄』に、
「今日蓮は去ぬる建長五年癸丑四月廿八日より、今年弘安三年太歳庚辰十二月にいたるまで二十八年が間又他事なし。只妙法蓮華経の七字五字を日本国の一切衆生の口に入れんとはげむ計りなり。此即ち母の赤子の口に乳を入れんとはげむ慈悲なり」(御書 一五三九頁)
と仰せであります。

 折伏は、この御本仏の広大深遠なる大慈大悲を我が身に移し、一途に相手の幸せを願う一念に徹して励むことが肝要であります。

 この一念がないと「慈無くして詐り親しむは彼が怨なり」の譏りを受けることになります。

 『法華経安楽行品』には、法を説く者の心得として、
「嬾惰の意 及び懈怠の想を除き 諸の憂悩を離れて 慈心をもって法を説け 昼夜に常に 無上道の教を説け 諸の因縁 無量の譬喩を以て 衆生に開示して 咸く歓喜せしめよ 衣服臥具 飲食医薬 而も其の中に於て 望する所無かれ 但一心に 説法の因縁を念じ 仏道を成じて 衆をして亦爾ならしめんと願うべし」(法華経 三九〇頁)
と説かれています。

 即ち、怠慢・横着・無精・懈怠・懶惰の心を除き、憂いと悩みの迷いを離れて、慈悲の心を以て法を説き、昼夜の別なく無上道の教えを説き、諸の因縁と譬喩を限りなく語り聞かせて人々に仏の教えを説き示し、皆を歓喜せしめ、美しい衣服、柔らかな寝具、美味なる飲食、貴重な医薬があってもそれを求めず、ただ一心に法を説く者の因縁をもって、自らも仏道を成じ、人々もまた仏道を成ずるように願うべきである、と仰せられているのであります。

 この文は四安楽行のうち、口安楽行の一文でありますが、現代においても通用すべき教訓であります。

 就中「慈心をもって法を説け」との文意をよくよく拝し、折伏を行ずることが最も肝要であります。

 今、宗門は僧俗挙げて大折伏戦に臨むべき大事な時を迎え、一人ひとりが慈悲の心を持って折伏に励まれますよう心から願うものであります。

 『報恩抄』には、
「日蓮が慈悲曠大ならば南無妙法蓮華経は万年の外未来までもながるべし。日本国の一切衆生の盲目をひらける功徳あり。無間地獄の道をふさぎぬ。此の功徳は伝教・天台にも超へ、竜樹・迦葉にもすぐれたり」(御書 一〇三六頁)
と仰せであります。

 各位には、この御金言を心肝に染め、愈々御精進されますよう心から願い新年の挨拶といたします。


以上

(大白法/平成22年1月1日号より)



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